本校28回生である二村伸さんは、NHK解説委員室で解説主幹をされています。
イラン・イラク戦争、湾岸戦争、パレスチナ紛争、アフリカ各地の内戦、アフガニスタン戦争・・・とジャーナリストとしては最も多くの現場で取材をされてきました。
開校記念式典の日、「ウクライナ危機から何を学ぶか―戦争と情報戦」と題して、講演をいただきました。
前半は体育館にて、ロシアのウクライナ侵攻を例に、ジャーナリズムについてのお話をお聞きしました。
「戦争の最初の犠牲者は真実」
という言葉が印象的でしたが、真実を捻じ曲げて国民に伝えることが今回のロシアに限らず、戦争の度に起こっていることを、プーチン大統領のこの2ヶ月の演説の文言の例、湾岸戦争時の「ナイラの証言」の例などを紹介しながら話してくださいました。
ジャーナリストとして、情報を鵜呑みにせず、ファクトチェックを行い、双方の主張を比較したり、第三者の主張や報道を参考に、常に偏らない報道を心がけてきた、というお話も印象的でした。
第二部は希望者と二村さんの座談会です。
NATOの存在意義や、「メッセージのマーケティング」「ジャーナリストの倫理観」など、少し難しい話題のほか、今までで一番印象に残っている取材のエピソードとして、内戦のソマリアでの「命がけ」の取材の様子をこともなげにユーモアを交えて紹介してくださったり、国連やNGOなどで、海外で働く日本人女性をよく見かけるようになった、海外で働くことは難しくないですよ、といったお話もしてくださいました。
次々質問が寄せられ、1時間はあっという間に過ぎました。活躍する卒業生に、現役高校生も勇気づけられています。